宇治 拾遺 物語 今 は 昔
みなさん、こんばんは。 『令和源氏物語 宇治の恋華』いまだ完結しておりませんが、各章ごとにお読みいただけるよう整理いたしました。 全話242話となります。 今しばらくお付き合いください。 序章 (1話) 己の出生を呪う薫の心裡とは 第一章 光なきあと(3話) 次代も天下泰平、政治の
これも今は昔、山科(やましな)の道づらに、四の宮河原といふ所にて、袖くらべといふ、あき人あつまる所あり。 その辺の下種(げす)のありける、地蔵菩薩を一体造りたてまつりたりけるを、開眼(かいげん)もせで櫃(ひつ)にうちいれて、奥のへやなどおぼしき所に納め置きて、世のいとなみにまぎれて、程へにければ、忘れにける程に、三四年ばかりすぎにけり。 ある夜、夢に、大路をすぐる者の、声だかに人よぶ声のしければ、「何事ぞ」と聞けば、「地蔵こそ」と、高くこの家の前にていふなれば、おくのかたより、「何事ぞ」と、いらふる声すなり。
このテキストでは 宇治拾遺物語 の一節「 児 (ちご)のそら寝 」( これも今は昔、比叡の山に児ありけり~ )の原文、現代語訳・口語訳とその解説を記しています。 書籍によっては「稚児の (※1)そら寝 」と題されるものや、内容が異なる場合があります。 宇治拾遺物語とは 宇治拾遺物語 は13世紀前半ごろに成立した説話物語集です。 編者は未詳です。 原文 これも今は昔、比叡の山に (※2)児 あり けり。 僧たち、宵の つれづれ に、 「いざ、かひもちひせむ。 と言ひけるを、この児、 心寄せ に聞きけり。
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